みなさんこんにちは
フレッシュワークAKITA広報班です。
エフエム秋田で放送中!フレッシュワークAKITA提供
「Job-Press on Radio」
寒い毎日が続いていますね・・・ 体調管理にご留意下さい・・・
今回の取材先は、横手市朝日が丘にあります
「株式会社ヴァルモード」
フレッシュワークAKITA広報班メンバーが、会社を訪問しましたよ・・・
秋田市御所野の「秋田テルサ」からは、
国道13号線を使い、約2時間程で旧横手市内へ・・・
国道107号を平鹿町に方面に進んでいくと、県立横手養護学校の近くに看板を発見!
見覚えのあるワニのキャラクター・・・ 社屋にもワニのキャラクターが・・・
そして、「LACOSTE」の文字・・・
「LACOSTE」って、あのラコステかな?
早速、
柴田 善己 工場長 に、いろいろお聴きしましょう!
◇
こちらの会社について教えて下さい!
◆ 「
「株式会社ヴァルモード」は、フランスラコステ社が資本参加している、
ラコステブランドのカジュアルウェア-の縫製を行っている会社です。
ポロシャツの伝統を守りながら、新しい製品にも挑戦しています。」
「株式会社ヴァルモード」は、昭和63年に設立されました。
ラコステは、フランス発祥のアパレルブランドとして有名ですよね。
ラコステブランドの製品は、ヨーロッパはもちろん、
アフリカや南米そして日本で製造されており、
「株式会社ヴァルモード」は、国内の製造拠点の一つとして、
当時、日本国内の販売ライセンスを有していた会社からの要請により設立されました。
現在は、フランス本社(「Lacoste SA社」)が10%、
日本における被服に関する専用実施権を持っている株式会社ファブリカが90%の割合で、
「株式会社ヴァルモード」に資本参加しているため、
株式会社ファブリカの子会社と位置づけられており、
代表取締役は、株式会社ファブリカの社長が兼務しています。
「株式会社ヴァルモード」では、
ラコステブランドの中でも、ポロシャツを中心に製造していますが、
日本製のポロシャツの90%は、
「株式会社ヴァルモード」で製造されています。
【写真 工場の様子】
完成した製品には、
「株式会社ヴァルモード」の名前はどこにも記載されていませんが、
「Made in Japan」のラコステのポロシャツをお持ちの方は、
秋田県横手市産と思っていただいて、ほぼ、間違いないと言います。
ポロシャツは、カットソー(ニット素材を裁断・縫製をして作られた服)に、
分類されることを知っていましたか?
カットソーの語源は、「カット(裁断)」と「ソー(縫製)」に由来しているそうです。
さて、ラコステの起源は、
1920年のフランスを代表するテニスプレーヤーであったルネ・ラコステです。
彼は、汗を吸わない長袖ワイシャツのようなウェアに代わるものを考えていました。
1933年、苦心の末に通気性の良い、鹿の子地の半袖のポロシャツを開発。
当初は物議を醸したのですが、やがて受け入れられ、
世界へと広まることになりました。これがポロシャツ発祥の原点です。
“ビズポロ”と呼ばれるビジネスポロシャツも、ラコステが最初なんだとか・・・
ラコステは素材選びにこだわっているブランドとして有名であり、
最高級の原綿にこだわり続け、
ドレスシャツに使われる産地限定の超長綿のみを使用しているため、
光沢と柔らかさが他とは段違いなのです。
また、スポーツでの使用を踏まえて、徹底的な耐久性を実現させています。
洗濯での色褪せ防止染色やボタン素材の選定に至るまで、
あらゆる面で完璧を求めて作られているそうです。
“ラコステのこだわり”を列挙してみると・・・
● エジプトやアメリカの一部でしか生産されない超長綿と呼ばれる、
スーピマコットンのみを原料とし、シルクのような光沢とソフトな風合い、
吸湿性・耐久性を実現。
● 中番手の糸(44番)を使うことで、
光沢感・フワッとしたタッチを生み出し、究極の着心地を実現。
● 色によって、スレン染色という耐塩素退色に優れた特殊な染めの技術が採用されていて、
長い間鮮やかな色をキープ。
● 縮みや歪み、シワになりにくい形態安定加工。
● 前立て部分は芯地を使用し、特別仕立で型崩れを防止。
● ボタンは高価な高瀬貝を使用。
● ワニのマークは黒色の糸でワニの黒いふちを縫う。
※1針でもずれたらダメ!
● 衿の縫い付けはステッチを隠した、独自の筒編みテープを採用。
● 肩線の縫い合わせには、同色のテープで裏から補強。
● サイドスリットは、半分だけ開いた仕様。 などなど・・・
列挙しただけでも、かなりのこだわりを持っていますよね。
超長綿について、さらに解説すると・・・
超長綿は、繊維長がとても長く、
繊維の中空の部分は他のコットンよりも肉厚なので、
吸湿性が優れており、繊維そのものがふっくらとしています。
また、あまり光を反射しないコットンでありながら輝くような光沢を放ち、
繊維に含まれている油脂分が多いので触った時のぬめり感が良くなり、
身につけた時に肌触りがよい布地となっています。
この超長綿の使用はもちろん、
糸、染め、及び布の各段階においてもこだわって作り上げているブランドは、
他にはないと言います。
ラコステのポロシャツは、
決してお安い製品ではありませんが、
これだけのこだわりがあるので、妥当な金額とも言えますよね。
とある雑誌には、
“ラコステのポロシャツ”として絶対的な定番と言われている「L .12 .12」が紹介されていましたが、
着心地が抜群の理由は、服の組み立て方にあるとし、
前立て(首もとを開閉するためのボタン留めの部分)部分まで身頃の布で作られ、
裏側を別布とごく薄い芯地で補強しているので、
見栄えもすっきりし、着心地が爽やかと絶賛していました。
こういった服の組み立ては、
大変手間がかかるために良いと分かっていても採用する会社が少ないとのこと・・・
そして、さまざまな国で製造されているポロシャツの中でも、
日本製のポロシャツを高く評価していました。
ボタンや細部の至るところに、
日本らしい心遣いが施されているのがその理由・・・
ということは、
「株式会社ヴァルモード」の高い縫製技術が、
評価されていると考えても間違いではないですよね!
【写真 工場の様子】
ここで豆知識!
ラコステにワニのマークが使われている理由・・・
創業者のルネ氏が、テニスのフランスチームのキャプテンピエール・ジルーと、
試合に勝ったらワニ革のスーツケースを贈ってもらうという賭けをしたことが、
きっかけです。
惜しくも試合には負けてしまったのですが、
ルネ氏の喰らいついたら放さない集中力の高いプレー・スタイルが評判となり、
「ワニ」の異名を勝ち取ったといいます。
彼の発明したポロシャツには、
自分の分身であるワニのワンポイントが付けられるようになりました。
※正面から見て右向きのワニが「ラコステ」です。
【写真 ワニのワンポイント※いろいろなバリエーションがあるそうです。】
◇
現在、力を入れていることは、何ですか?
◆ 「作業環境を良くするため、環境整備に力を入れています。
縫製現場では終日、座り作業となるため、
快適に作業をおこなってもらうため、作業用の椅子を取り替えました。
【写真 取り替えた作業用の椅子】
ニットは乾燥に弱いことから、
一定の湿度を保つ目的で、工場に自動加湿設備を設置したところ、
冬期間のインフルエンザ罹患率が低下しました。
製品のために導入した自動加湿設備ですが、
社員の健康にも大きく影響を与えています。
【写真 工場に設置されている自動加湿装置】
作業環境ではありませんが、
女性の多い職場ということもあり、社内行事を数多く開催しています。
社員旅行も泊まりがけではなく日帰りにするなど、
家族のいる社員が参加しやすいよう、配慮しています。
また、技術の継承にも力を入れています。
当社の縫製技術は、なかなか他社がまねできない高度なものです。
60歳上の社員が7名いますが、どの社員も高い技術を持っています。
その技術を若手に継承すべく、
ベテラン社員が若手社員にマンツーマンで技術指導を行う他、
ベテラン社員の作業風景をビデオ解析して、
マニュアルでは伝えられないポイントを分かりやすく学べるようにしています。」
【写真 独自の取り組み「ありがとうカード」※社員から社員に感謝の気持ちを伝えるツール】
【写真 「ありがとうカード」は、社内に掲示して、社員で共有しています】
女性の多い職場ということで、
育児や子育てに配慮した取り組み(休暇の取得など)も行っているそうで、
作っている製品、製造に関する技術、そして職場環境も一流と言えます。
◇
職員の職種について、教えて下さい。
◆ 「製造に特化した業務を行っているので、
製造部門に従事する者がほとんどです。
職種としては、パタンナー、裁断(布を型紙に合わせてカット)、
縫製、仕上げの各担当に分かれており、
その他は、総務・経理を担当する職員がいます。
パタンナーは、専門学校で専門知識を学んだ方を採用しています。」
【写真 過去に販売したポロシャツの色見本※年間30色(定番・新色)】
ここでまたまた豆知識!
パタンナーとは、デザインしたスタイルを、パターン(型紙)におこす専門職です。
素材の特性を理解し、イメージ通りに格好良く、
時代にあった美しいシルエットに機能性を考慮した、
生産性の高いパターンを作ることことが、パタンナーの役割です。
「株式会社ヴァルモード」では、CADソフトを使ってパターンを作成していましたよ。
【写真 パタンナーの作業風景】
他の部署の様子もご紹介・・・
【写真 裁断担当の作業風景】
【写真 ボーダーなど柄もの用裁断機 ニット素材特有の生地のでこぼこにも対応】
【写真 縫製担当者の作業風景 1-てんち縫い】
【写真 縫製担当者の作業風景2-ワンポイントの縫い付け】
【写真 仕上げ担当者の作業風景】
◇
求められる人材について、教えて下さい。
◆ 「ラコステは、“エレガントなスポーツカジュアル”がコンセプト。
洋服は人の気持ちを明るくし、ウキウキした気持ちにさせてくれるものです。
当社で働いて欲しい人は“洋服が好きな人”ですね。」
気分が落ち込んでいても、洋服が気分を変えてくれることがあります。
洋服には、気分を高揚させる、不思議な力がありますよね。
◇
採用試験について、教えて下さい。
◆ 「特に縫製を担当していただく方には、目と手先の動きや、
几帳面さの状況を把握する必要があります。
そのため、一次試験では適性診断を行い、
目と手先の運動性などを確認しています。
二次試験は面接ですが、工場長と現場の責任者2名が同席して、
個別面接を行っています。
質問内容は定番と言える内容で、
長所と短所や学生時代に興味を持ったこと、
最近気になったニュースなどについて質問しています。」
【写真 今年度の新入社員-ボタン付け作業を器用にこなしています】
新卒者については、学校で面接練習をかなり行うので、
質問の回答がステレオタイプなのがとても気になるそうです。
自分の考えを自分の言葉でしっかり伝えることが、
面接を突破するポイントのようですね。
◇
採用後の研修等について教えて下さい。
◆ 「採用後、2週間は基本的なことを覚えてもらう期間になります。
その後は、各部署の簡単な作業から体験してもらい、
6ヶ月後に正社員となります。
秋田県南工業振興会が開催する新人教育の研修会にも、
参加させています。
研修ではありませんが、
ラコステの直営ショップの販売員が工場を見学することがあり、
社員にとって、とても励みになっているようです。
技術の継承はもちろんですが、
ラコステブランドの社員としての自覚も、しっかり持っていただきたいですね。」
世界に冠たるブランドを支えている
「株式会社ヴァルモード」ですが、
意外なところで地域貢献を行っていました・・・
JRグループ旅客6社と秋田県、
地元の観光事業者等が協働で昨年度実施した「あきたデスティネーションキャンペーン」で、
当時のJR東日本の秋田支社長の依頼により、『こまちポロシャツ』を作成。
ラコステ以外の製品を作ったのは初めてとのことですが、
秋田県内の良品(技術)を全国に知らせたいとの関係者の思いを本社が快諾。
新旧の秋田新幹線こまち(赤・白)、寝台特急あけぼの(青)、SL秋田こまち号(黒)の
4色展開のポロシャツが制作されました。
【写真 “こまちポロシャツ(寝台特急あけぼのVer.”】※えきねっとPlazaより借用
在庫数は少なくなっているようですが、
“えきねっとPlaza(ネット)”やフォルクローロ角館などで購入出来るようです。
【写真 あきたデスティネーションへの貢献に対する感謝状】
地元貢献にも力を入れている
「株式会社ヴァルモード」・・・
「洋服が大好き」な方のご応募をお待ちしております。
本日の若手社員をご紹介!
縫製担当 高橋 亜稀子 さんです。
入社3年目の高橋さんは、旧横手市のご出身。
とても恥ずかしがり屋なんですが、秘めたる強い意志を感じさせる方でした。
◇
入社のきっかけについて、教えて下さい。
◆ 「高校は普通高校に進学したのですが、
入部したバスケット部で新入生がマスコットを作る伝統があり、
友達に教わりながらマスコットを作る事になりました。
手芸には興味がなかったのですが、
実際に作ってみるととても楽しいことが分かりました。
高校3年の就職活動で、
縫製関係の仕事に興味を持ったのは、
マスコット作りの体験が影響していたと思います。
応募先を絞り込むため、単身で職場見学を行った際、
有名なブランドの服を作っている会社であることや、
社員の方が懸命に作業している様子に驚きと感動を覚え、
自分も同じように働きたいと思い、応募することとしました。」
【写真 取材の様子】
縫製工場で働いている社員の方の作業スピードは、驚愕に値するものです。
高橋さんは職場見学で社員の働きぶりに感動し、応募を決めたんですね・・・
◇
採用試験で覚えていることを教えて下さい。
◆ 「学校で事前に練習したことは全く質問されなかったので、
焦ってしまいました。
質問されたのは、工場見学の感想や学校生活でがんばったことなどで、
話しやすく雑談のような面接だったと記憶しています。」
面接が和やかだった方は、かなりの確立で採用になっています。
和気あいあいとした面接では、自分の長所もPRしやすいですよね。
◇
働いてみて、いかがですか。
◆ 「試用期間終了後、資材の発注業務を担当することになりました。
発注業務はとても大切な仕事なのですが、
どうしても縫製現場で働きたかったので、工場長に部署の異動をお願いしました。
今年3月から縫製現場の担当となり、
2本針のミシンを使って、裾の環縫いを行っています。」
【写真 仕事中の高橋さん】
環縫いは、裏側がチェーン状になり、上糸を裏側近くまで引き込むステッチ形式をいいます。
また、2本針のミシンとは、針が2本についており、
縫い上げると縫い目(ステッチ)が2本平行に出来るミシンのこと。
高橋さんは就職前から憧れていた縫製現場に、めでたくデビューしたんですね。
◇
この仕事で大変な事、またはやりがいについて教えて下さい。
◆ 「裾は着用した時にとても目立つところなので、
とても気を使って作業しています。
裾の折り返す部分は、事前に印がついているわけではなく、
製品によって決められている折り返しの幅を縫いながら折りつけているのですが、
私は作業に慎重になるあまり、1日の目標値を達成出来ないことがあります。
先輩が250着以上仕上げている時に、
私は100着程度しか仕上げることが出来ず、
もっと手早く作業しなければと反省することが多いです。
嬉しかったのは、先輩から『2本針の一員だな』と言ってもらったことです。
この言葉は、仲間として認めてもらったという証だからです。
そして、有名なブランドのポロシャツを自分達が作っているんだという気持ちが、
なによりもやりがいと誇りに繋がっています。」
【写真 取材の様子】
高橋さんは本社出張の際、東京のラコステショップで紺色のポロシャツを購入し、
父親にプレゼントしたそうです。
思いがけないプレゼントに感激した父親は、
飲み会などの人が集まる席に参加する時のおしゃれ着として着用しているそうです。
休日は趣味のバスケットボールを楽しんでいる高橋さんですが、
最近、靱帯を損傷したことから、現在はリハビリ中なんだそうです。
早く治るといいですね。
縫製現場の経験が浅いこともあり、
先輩達との力の差を痛感しているとのことですが、
持ち前の真の強さで、近い将来、先輩達に追いつき追い越す日が来るはずです。
その日まで、粘り強く頑張って下さいね!
【写真に向かって、右側から 柴田善己 工場長、縫製担当 高橋亜稀子さん】
この模様は・・・
12月19日 17:40から エフエム秋田にてON AIRされます。
ぜひ、放送もお楽しみに・・・