みなさんこんにちは
フレッシュワークAKITA広報班です。
エフエム秋田で放送中!フレッシュワークAKITA提供
「Job-Press on Radio」
本日、11月7日は立冬・・・ 暦の上では冬に突入です!
今回の取材先は、湯沢市関口にあります
「秋田木工株式会社」
フレッシュワークAKITA広報班メンバーが、会社を訪問しましたよ・・・
「秋田木工株式会社」の住所は、湯沢市関口字
川前・・・
つまり、川の近くなんですね?
秋田市内から秋田自動車、湯沢横手道路と進み、
湯沢ICで専用道を降りてからも、しばらく直進していくと・・・
堤防が見えてきましたよ~!
流れているのは「雄物川」です!
堤防の上を走るため、交差点を2度程曲がると・・・
看板を見つけました!
「曲木家具」「ショールーム」と書いてあります・・・
玄関には額に入った椅子のオブジェと、素敵な飾りがついたドアが・・・
皆さん、このドアの模様、よーく覚えておいてくださいね!
名前からすると『木』に関係する会社のようです・・・
それも家具らしいのですが・・・
どんな事業所なんでしょうか・・・
さっそく、
瀬戸 伸正 代表取締役にお話を伺いましょう~!
「
「秋田木工株式会社」は、国内唯一の曲木家具を製造しています。
創業は1910年ですが、平成18年より大塚家具グループ会社となりました。」
(瀬戸 代表取締役)
『曲木=まげき』とは、その名が示すとおり一本の木を曲げたもので、
椅子をはじめとした家具のパーツとして用いられているそうです。
ここで、思い出していただきたいのが、
「秋田木工株式会社」の玄関の写真・・・
(アップにしてみました!)
ドアの装飾は、まさしく『曲木』なんです!
額に入れられた椅子のオブジェも曲木ですよ~!
ここで曲木家具について、
「秋田木工株式会社」のホームページから一部抜粋しながらご紹介いたします。
かつて椅子は、権力の象徴として装飾性が重視されていました。
17~18世紀を代表するクイーンアンスタイルやチッペンデールスタイル
(猫足やリボン状の彫刻が施された、背もたれなど優雅な装飾が特徴のスタイル)が
主流でした。
18世紀後半、イギリスから西ヨーロッパ各国へ広がった産業革命により、
工業が発展していく時期に、
ドイツ出身のミヒャエル・トーネットが発明した曲木家具が、
多くの支持を集めるようになりました。
家具職人として修行を重ねたトーネットは、生活に密着した機能性や丈夫さを追及し、
“にかわの煮えた釜に入れた薄い板を張り合わせて曲げる”という
曲木技術を生み出しました。
その後、試行錯誤を重ねた末、
木材を蒸煮し鉄製の型にはめ込むという
現在の曲木技術が誕生するのです。
これまでの椅子とは一線を画す、軽く丈夫でシンプルな美しさをもち、
さらに買い求めやすい価格であった曲木椅子は、
世界中に広まり、多くの支持を得ることになります・・・
モダンスタイルの原点の一つともいえる曲木家具・・・
どのような経緯で日本で作られるようになったのでしょうか?
佐藤 良一 管理部次長に伺ってみましょう。
「明治時代に豊富な資源である木材(雑木)を有効に活用する方法はないかと、
国レベルで議論されるようになり、海外の視察などを行った結果、
白羽の矢があたったのが曲木だったそうです。
その後、東京・大阪他数箇所で曲木家具が作られるようになったそうです。
そんな中、曲木に適している『ブナ』や『ナラ』が秋田県には豊富にあったことから、
創業者が東京から技術者を招いて、曲木家具の製造を始めました。」(佐藤 管理部次長)
【写真 応接室に飾られている油絵-移転前の秋田木工の様子が分かります。】
明治時代といえば、文明開化!
従来の畳に正座から、西洋にならって椅子の生活へ・・・
時代が大きく変わろうとした時期です!
創業者は、先見の明がありました!
秋田県民歌の二番にも
『斧の音響かぬ千古の美林』と唄われている秋田の森林・・・
しかし、美林と称されるのは『杉』であり、
『ブナ』は、腐りやすい上に加工後に曲がって狂いやすい性質から、
建築や工事などに用いられることが近年までなかったそうです。
皆さん、『ブナ』という漢字を知っていますか?
木へんに無と書くとおり、
木としての役目を果たしていないとかなり低くみられていました。
『ナラ』も、炭の原料として使用されるくらいで、やっぱり低く見られていました。
しかし、曲木には目が詰まった粘り気のある材質が功を奏し、
水分と熱を行き渡らせて力を加えると、そのままの形状が保たれるのです。
目の粗い『杉』のような木材は、曲げた時に外側がはじけてしまう・・・
曲木は『ブナ』や『ナラ』に新しい価値を与えたのです!
※ここで、『ブナ』のフォローをしますと・・・
最近は、寿命が長いため安定してCO2を吸収することができると、
注目されるようになりました。
また、ブナの実リは、動物たちのおいしい栄養源となり、
水分を大量に含むので、森にはかかせないすばらしい木として、
やっと日の目を見ています。
それでは、曲木家具が製造される過程を見てみましょう!
1.木取り(写真は、木材をカットしているところです。)
製材所で板状にカットされた木材を必要な長さ、厚さ、太さに切り出します。
使用する木材は、東北地方の国有林から林道などを作る際に、
支障となるために伐採されたもの(=支障木)を主に使用しています!
近年は、椅子の背もたれに使用する最長の木材を確保するのが、大変なんだそうです。
端材はボイラーの燃料となります。
こちらの作業場は、夏暑く、冬寒いそうですよ・・・
2.ボイラー炊き(写真は、熱く燃焼しているボイラーです。)
木くずや端材を燃やして、湯を沸かし、蒸気を作ります。
常時同じ火加減で燃えるように、木材の調整が必要なんだとか・・・
乾燥用の熱としても使用しています。
3.切削作業
三次元の曲げ加工を施すパーツについては、この段階で切削作業を行います。
4.高温煮沸(写真は、蒸し釜です。とても年季が入っています・・・)
木材を蒸し釜に入れ、高温の蒸気で蒸します。
パーツによって蒸す時間は異なりますが、
長い木材なら中心部の温度が150~200度になるまで
2時間ほどかかるそうです・・・
5.曲木加工(写真は、鉄型に木をセットしているところです。)
木を鉄型にはめ、金具に固定して一気に曲げます。
固定の位置を変えながらカーブを作るのですが、
木が乾燥する前に終了しなければならず、まさに職人芸!
こちらが完成品です。木が外に反らないよう、鉄板ごと曲げています。
その後、木の状態を安定させるため、一時乾燥室に入れます。
こちらは、人間の力で曲げていきます。まっすぐな木の両端を持って・・・
木をUの字状に曲げていきます・・・
さらに、外側に曲げ、三次元の曲げ加工を施します。
二人のタイミングが合わないと短時間で作業を終了できません。
三次元の曲木加工を行い、鉄型にはめ込まれ、金具で固定されたところ・・・
鉄型と製品の間に経木(薄い木の板)が入れられています。憎い心遣いです・・・
曲木加工後は木を安定させるため、乾燥室に入れます。
6.切削(写真の曲木は、前述の曲木加工で人力で曲げたものを削っています。)
曲木を万力で固定し、「南京カンナ」と呼ばれる特殊なカンナで削りながら、
太さや曲線の角度を決めます。
職人は一人で12~14丁ものカンナを使い分けて削ります。
7.研磨
電動の布やすりで、カンナの削り跡を滑らかにします。
ショールームに飾ってある、切削後(南京カンナ仕上げ)と研磨後の見本。
触ると、仕上がりの差が歴然!
8.組み立て
各パーツを組み合わせ、電動ドライバーでネジ留めします。
9.着色(2回)
最初に筆ですき間に塗料を塗り、
エアガンで全体にムラや垂れができないように吹き付けます。
<「着色→乾燥→手磨き」の工程を2回繰り返します。>
10.乾燥(2回)
11.手磨き(2回)
12.仕上げ塗装(写真は2段ベットの部品です。)
13.乾燥
一部の製品は、これで完成!
14.張り加工
いすの背もたれや座にクッションをつけ、組立完成
【写真:梱包を待つ完成品】
全ての工程がほとんど人の手によるものなのに、
本当にびっくりしました!!!
こちらの写真、座面の板を補正しているそうです・・・
椅子の枠と座面の間に一定のすき間を作っているのです。
少し削っては、バランスを見るという緻密な作業・・・
張り加工の張り地の厚みを考慮した作業です。
作業工程を見学させていただくと、
値段以上の価値があることを納得しました・・・ とにかく、すごい!
続いて、ショールームを見せていただきました!
企業内のショールームには、発売中の製品の他、
歴代の製品がずらっと展示されています。
【写真 木製椅子で初めてグットデザイン賞を受けた椅子】
【写真 カーボンを貼り付けた木製のダイニングテーブル】
過去には、剣持勇氏や豊口克平氏、柳宗理氏とコラボレーションしていますが、
【写真 剣持勇氏デザインのスタッキングチェア(1955)
現在でも高い支持を得ています。】
2013年に運用を開始予定の秋田新幹線E6系をデザインした、
奥山清行氏とのコラボも予定されているそうです。
奥山清行氏といえば、世界的なカーデザイナーで、
あの「フェラーリ・ エンツォ」をデザインした著名な工業デザイナーです。
早く、作品が見てみたいですよね・・・
※
「秋田木工株式会社」ホームページでは、素晴らしい商品を見ることができますよ!
機能的でありながら、芸術的な価値も高い製品を生み出している
「秋田木工株式会社」・・・
どんな人材が求められているのでしょうか? 瀬戸 代表取締役に伺いました・・・
「やはり"ものづくり"が好きな人でしょうか・・・
工場内は恵まれた環境とはいえません。 夏は暑く、冬は寒いという部署が多いです。
そして、"汗をかく"仕事です。体力はもちろん、力が必要な部署もあります。
そんな環境の中でも、前向きに取り組むためには、
"仕事が好きという気持ち"と"健康"が大切だといえます。
入社を希望する方は、まず会社を見学していただき、
職場環境や商品に納得して応募していただきたいと思います。
また、会社を成長させるために、
自ら積極的に活動し、どんどん発言できる人も求めています。」(瀬戸 代表取締役)
学部や前職にはこだわらないそうですが、
木工や塗装についての知識があると、仕事に役立つそうです。
仕事をする上で、必要な資格はあるんでしょうか? 佐藤 管理部次長に伺いました。
「曲木加工に使用する金型は工場内で制作するため、
溶接の資格が必要となります。
また、ボイラーを担当するには、ボイラー免許が必要となります。
資格とは異なりますが、我が社では営業が存在しません。
そのため、管理部の社員はお客様からの問い合わせに対応できるよう、
製品に関する知識を身につける必要があります。」(佐藤管理部次長)
社員それぞれが担当する部署で、プロとして活躍することを求められているだけに、
資格を持つことや知識を身につけることが望まれているんですね~
【写真 取材中の瀬戸 代表取締役(向かって左側)と佐藤 管理部次長(向かって右側】
それでは、本日の先輩社員をご紹介します。
管理部 鷲谷 彩紀さんです。
とーっても瞳がきらきらしているんですよ~!
鷲谷さんは、入社2年目・・・
管理と設計を担当しているそうです!
『木工大好き、ものづくり大好き』と話す鷲谷さん!
そのルーツはお父さんの日曜大工なんです!
小さい時から、お父さんの手伝いをよくしていたそうですよ・・・
ものづくりへの関心はどんどん高まり、
秋田市内の美術短大の付属高校学院に進学しました。
附属高等学院では、木材工芸を選択!
短大に進学した後も、学んだことを活かした職につきたいと考えていたそうです。
「秋田木工については、短大に掲出されている求人票を見ていたので、
高等学院時代から名前を知っていました。」(鷲谷さん)
高等学院と短大のキャンパスは同じ敷地内にあり、
短大の建物に自由に出入りできるため、
秋田県内で木工の仕事をしている会社として、注目していたそうです。
短大時代には、インターンシップも経験!
「秋田市内で家具を作っている会社でインターンシップを行いました。
家具が製造される工程に携わり、ますます、木工が好きになりました。」(鷲谷さん)
短大の場合、早い方は1年生の秋には就職活動を始めるのですが・・・
鷲谷さんの場合、本格的に就職活動を始めたのは短大2年の夏・・・
職場見学が最初の活動でした!
「学祭の実行委員長を任されていたので、
就職活動は、二の次といった状態でした(笑)。
実際に職場を見せていただき、
とても手間のかかる仕事であることや
100年続く伝統のある会社であることが分かり、
"ここに入ろう"と思いました。」(鷲谷さん)
面接では、試験というよりも雑談のような雰囲気だったと話す鷲谷さん・・・
面接官からどんどん質問が出るのは、受験者に対して興味を持っている証拠!
鷲谷さんの就職活動は、
「秋田木工株式会社」のみ!
就職活動中の方から見ると、なんともうらやましい限りですが、
鷲谷さんが採用を勝ち取った要因は、2つの点が挙げられるのでは・・・
1.やりたいことがハッキリしている。(→「木工、ものづくりがしたい!」)
2.この会社で働きたいという気持ちがとても強い。(→「高校時代から入社を考えていた」)
この2点を面接で伝えることができれば、
採用が近づいてくるのではないでしょうか・・・
念願かなって働き始めた鷲谷さんですが、働いてみてどうですか?
「当社の商品をあらゆるところでご使用いただいていることが分かり、
改めて、すごい商品を作っているなぁと感じています。」(鷲谷さん)
鷲谷さんの好きなタレントが、
「秋田木工株式会社」の商品に座っている
グラビアを見た時には、
本当に嬉しかったそうですよ!
【写真 取材中の鷲谷さん(向かって右側)】
さて、現在の管理部は、3ヶ所目の部署・・・
「秋田木工株式会社」では、
採用後は本人の希望も含みつつ、配属先を決定し、
1~2年で部署を異動させることで、社員の適性を判断しています。
「管理部の前は、研磨の仕事と発送の仕事を担当しました。
発送の仕事を担当することで、製品と製品名(型番)を覚えることができたことが、
管理部の仕事でもとても役に立っています。」(鷲谷さん)
現場から離れて、寂しくないですか?
「当社では、若い社員に対して週1回勉強会が開かれ、
先輩社員が付き添って、工作機械などを自由に使わせてもらえるんです。」
(鷲谷さん)
鷲谷さんも簡単な作品を作ったりするそうで、技術力向上はもちろん、
ますますものづくりへの気持ちが強くなったそうです。
今年4月に異動したばかりで、まだまだ慣れない事ばかりと話す鷲谷さん・・・
学生時代はラフスケッチ程度の設計図だったので、
CADを使った家具の設計図の製作は、一から勉強しています。
「大変な事も多いですが、仕事に必要な知識を身につけてがんばりたいと思います。」
(鷲谷さん)
社会保険労務士の資格取得を検討していると話す鷲谷さん・・・
趣味の道の駅巡りで気分転換をしながら、
資格取得のための勉強をがんばって下さいね!
最後は恒例の記念写真!玄関前でぱちり!
【写真に向かって、左側から 佐藤良一 管理部次長、瀬戸伸正 代表取締役、
管理部 鷲谷 彩紀さん】
この模様は・・・
11月9日 17:40から エフエム秋田にてON AIRされます。
ぜひ、放送もお楽しみに・・・